ピロリ菌とは
当院ではピロリ菌の検査および除菌治療を行っています。そもそもピロリ菌(ヘリコバクター・ピロリ)とは、胃の中に生息する4ミクロン(4/1000mm)ほどの病原微生物です。
胃内は酸性が強く細菌などが住みにくい環境下ではあるのですが、酸性が弱いとされる幼少期に感染者である大人との食物の口移しなどによって胃内に侵入し、そこで胃内に存在する尿素をアンモニアと二酸化炭素に分解し、そのアンモニアで胃酸を中和することでその後も生きながらえることを可能にしているのです。
ピロリ菌に感染すると、慢性胃炎、胃・十二指腸潰瘍、胃がんなどを引き起こす原因でもありますので、感染が確認されたら速やかに除菌する必要があります。
ちなみに感染したからといってすぐに何らかの症状が起きるわけではありませんが、そのままの状態でいれば大半の方の胃に炎症(ヘリコバクター・ピロリ感染胃炎)が起きるようになります。
これが胃の粘膜を萎縮させ、最終的に上記のような病気を招くようになるのです。ピロリ菌の感染が疑われる場合は、直ちにピロリ菌検査を行います。
除菌治療について
検査を行い、ピロリ菌の感染が確認されると直ちに除菌治療が行われます。その内容とは、プロトンポンプ阻害剤(胃酸を抑える薬)と抗菌薬のアモキシリンとクラリスロマイシンの計3種類の薬を朝と夕の1日2回、1週間内服する薬物療法です(一次除菌)。1週間の服用を終えた後、1ヵ月が経過してから除菌判定の検査を行います。その結果、除菌されていないとの判定を受けたら、薬の種類を代えて再び1週間内服します(二次除菌)。この場合、クラリスロマイシンをメトロニタゾールに代えて行われることが多いです。除菌率に関しましては、一次除菌で約70~80%、二次除菌で約90%と言われています。なお服用期間中は、下痢、発疹、肝機能障害、出血性大腸炎などの副作用がみられることもあります。